武道館 朝井リョウ 感想

皆さんこんにちは。ジェームズです。

今日は朝井リョウ「武道館」を読んでの感想を書いていきたいと思います。

ストーリー

さいころから踊ることと歌うことが、とにかく大好きだった女の子の愛子。ごく自然な流れでアイドルになるという夢を抱き、「NEXT YOU」という女性アイドルグループのオーディションを受験し見事に合格。1期生の他5名のメンバーと共に活動を始めます。しかし活動を続けるうちに、メンバーの突然の卒業発表やCDの販売方法についての批判など愛子は様々な経験をしていきます。

自身の抱く、踊ること歌うことが大好きという、純粋な気持ちから成るアイドル像とファン、世間が抱くアイドルとしての理想像との間に溝が生まれ始めます...

この本の魅力

1つ目はアイドル、そして芸能界という、自分の生活する場所とは最もかけ離れた世界の話だからこそ、物語に新鮮さがあり引き込まれます。

2つ目。まず僕はアイドルが好きです。乃木坂46が大大大好きです(笑)。そんな無類のアイドル好きである僕は、ファンという目線でアイドルを見てきました。ですがこの本を読んで、ファンとしての目線だけではなく、アイドルにとどまらず、芸能人の方々の目線から色々と考えるきっかけにもなりました。

印象に残った言葉

「金を払わないで、何でもある中から取り続けたら、自分がどんな奴かわからなくなる。」

握手券付きのCD販売方法について意見を交わすシーンでのセリフです。

僕は大学生になり、自分の力で稼いだお金というものを初めて手にしました。そしてそのお金を自分の使いたいように使うようになりました。皆さんも同じだと思います。現在の世の中では、無料で楽しめるツールが山ほどあります。もちろん僕も多く利用しています。でもそんな時代だからこそ、自分にとって価値があると思えることに対して、お金という対価を払うことは、大きな行動だと思います。何にお金を払うのか考えること。そして自分はどんなものに満足するのか。こういったことを、大学生になって初めて知ることができた面も多くありました。

 

「正しい選択なんてこの世にない。正しかった選択にしていくしかない」

これは愛子がアイドルとしてではなく、1人の人間として沸き立つ感情に対して向き合うシーンでのセリフです。

自らの選択が、その時点で正しいかどうかはわからない。けれどその後の努力次第で、正しかった選択にすることはできる。これから踏み出す勇気を与えてくれる、力強い言葉です。

最後に

この本はストーリーに引き込まれて、思わず一気読みしてしまう1冊です。

そして、いま芸能人の方々への、ネットでの誹謗中傷が大きく取り上げられています。改めてそういったことについても、考えを深めるきっかけとなる本です。ぜひこの機会に手にとってみてください。

長くなりましたが、最後まで読んでいただきありがとうございました。