どうしても生きている 朝井リョウ

皆さんこんにちは。ジェームズです。

今日は私が大好きな作家のひとりである、朝井リョウさんの「どうしても生きている」をご紹介したいと思います。

朝井リョウの魅力とは

まず僕が考える朝井リョウさんの魅力を簡単ではあるのですが3つご紹介します。

1.自分自身の言語化できないようなもやもやした気持ちを, ストーリーの中で表現してくれる。

2.これまで積み上げてきた自分の価値観や, 今の心情を良い意味でごちゃまぜにする。

3.女性を主人公とした物語が多い。(僕は男なので色々と勉強になる(笑)朝井リョウさんも男なのに凄い)

僕が大きくまとめるとしたらこの3つ。何より朝井リョウさんの魅力は心に訴えかける文章だと思います。読み終わった後, モヤモヤした気持ちがすっきりするときもあれば, 逆に更にモヤモヤした気持ちになることもある。読む時期によって感じ方が異なるという点も大きな特徴の1つではないかなと思います。

どうしても生きている 感想

僕自身この本を読むのは2回目です。ですが、また違った人物の捉え方や心情の感じ方ができました。

この本は6つの短編小説が収録されています。

どれも面白かったのですが, 今回は私が特に心に刺さった箇所をご紹介します。

何もかが巡り, 変わりゆく中で唯一誰にも曲げられず, 何にも奪われないもの。それはその人自身が築き上げてきた歴史と, そこから手に入れた技術。(流転)

時代が移り変わる中, 自分の中で変えていかなければならないものは, これからも多くあると思います。けれど, 目指すもの, 大切にするものを変えることさえしなければ, その達成に向け努力し積み上げたものは, 決して裏切らない。そういう風に私はこの言葉をとらえました。

受け入れる受け入れないを選べたわけじゃない。これまでもずっと。何を引き当てたって, どんな場所に置かれたってそのたびにどうにか根を張りなおしてここまできた。(籤)

これまでの経験において, 理不尽な状況にいきなり立たされる。突然環境が激変する。そういった経験は少なからず皆さんにもあると思います。そんな不条理を自らが選択することはできない。けれどその状況下でどうにかあがかなくてはならない。根を張らなくてはならない。逆らうことのできないものごとに対して, 立ち向かう勇気をくれる一節だと思います。

最後に

このような形で自分の中で気になったところを切り取って, ご紹介していければと思っています。今回のブログで朝井リョウさんの魅力が少しでも伝わったらうれしいです。

最後まで読んでいただきありがとうございました。